この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
夫が亡くなった際、夫の財産が大幅な債務超過状態であったため、相続人である妻は相続を放棄して住居を失うか、相続をして借金を背負うかという二択に迫れらていた。
解決への流れ
他の共同相続人である子ら、妻の親族等と協議を重ね、多少の財政的支援を得るとともに、金融機関からの新規借入れも併せ、妻以外の共同相続人において相続放棄をするとともに、妻は限定承認をして、債権者にも個別に説明をして理解を得て、結果的に住居の客観的評価より多少減額した金額の債務を弁済する形をとり、結果として居宅の競売を免れ、居住を続けることができるようになった。
債務超過の相続においては、単純に相続放棄のみを勧めるということも少なくないものの、相談者の状況について良くヒアリングをし、何をあきらめねばならないのか、それに対してどのような対応をとることができるのかを、広い視野をもって取り組みました。他の親族からの協力が得られるという幸運に恵まれたこともありましたが、弁護士が直接他の親族と協議を重ねるなどして理解を得ることができるとともに、様々な金融機関における融資申し込みを試みるなど、柔軟に動いたことが、最終的に自宅を確保するという依頼者のニーズを満たす結果にたどり着いた要因だと思います。もちろん、他の債権者から詐害行為と言われないように、自宅を確保するための金銭的負担についても客観的な裏付けを備えて説明を重ね、結果として納得を得ることができました。法的手続の枠組みのみにとらわれない柔軟な処理が、良い結果を生んだものと確信しています。