この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
20代の派遣社員です。3年くらい前からパチンコやスロットにのめり込み、次第に消費者金融でお金を借りてギャンブルをするようになりました。また、生活も乱れ、飲食代など交際費に充てるため、借金を重ねてしまいました。数社に300万円の残額がありますが、今では限度額も一杯になり、新規の申し込みも断られる状態です。こんな私でも自己破産ができるのでしょうか。
解決への流れ
ご収入から考えて月々の返済可能額では任意整理による解決は困難でしたので、自己破産しか選択肢はありませんでした。もっとも、借入れの原因は、ギャンブルや浪費でしたので、裁判所では調査を経た上でなければ、借金の免除はしてくれません。裁判所で管財人を付けて調査をしてもらう手続き(少額管財)を取りました。依頼者の方と一緒に管財人の事務所に行って調査を受け、その後も管財人の指示する資料などを用意し、説明を行いました。3か月後、裁判所で債権者集会が開かれ、管財人からは、特別に免責を許可してよい旨の意見を出してもらいました。その1週間後、無事に裁判官から免責許可決定(借金の免除決定)を出してもらえました。
借入れの原因に、ギャンブルや浪費など問題がある場合には、裁判所が選任する管財人による調査を経た上でなければ、借金の免除は受けられません。管財人の調査を受け、ご本人の反省状況などを確認していきます。誠実かつ正直に破産手続に対応していくことが必要です。裁判所には、通常のケースと比べて、実費として20万円の予納金が多くかかりますので、一度に用意できない場合には、分割で積み立てていただく必要があります。ただ、しっかりと裁判所の調査に応じ、隠し事をしなければ、最終的には免責決定を受けることが可能です(裁判所を騙すようなことがなければ、まず大丈夫です)。借金の原因が人に言えないようなケースでも、あきらめる必要はありません。