この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
バイクに乗って左折をする際に、巻き込み確認を怠った自動車に巻き込まれて転倒、転倒した際に肩を強打し鎖骨骨折というけがを負ったという男性がご相談に来られました。保険会社から賠償額の提示がされているが、逸失利益等の金額の妥当性については自分で判断できないので専門家にみてもらおうと思ったとのことでした。
解決への流れ
ご相談者さまは、一年ほど治療に通われましたが、それ以上の症状の改善が見込まれないということで後遺障害等級12級と認定されていました。裁判所基準に則り算定すると、逸失利益のところが裁判所基準よりかなり低く見積もられていました。その要因となったのは、労働能力喪失期間を短く見積もられていたことによります。その点を保険会社と交渉し、会社の就業規則等の資料を疎明資料として提出し、67歳まで勤務できることを強く主張しました。保険会社の方も最終的に67歳までの労働可能性を認め、それに基づき、労働喪失能力を算定した結果、最終的には、ご相談に来られた当初の提示額から400万円ほど賠償額がアップしたので、ご相談者さまには、大変喜んでいただけました。
逸失利益とは、交通事故で片腕や片足を切断したり、後遺障害となったために労働能力が減少し、交通事故に遭わなければ本来もらえたであろう将来の収入の減少をきたす損害を言います。この逸失利益を考える場合に労働能力喪失期間を考慮しますが、労働能力喪失期間とは原則として症状固定日から就労可能年齢までの期間をいいます。そして、保険会社からの提示では、今回の相談者さまと同様にこの労働能力喪失期間が短く見積もられることもあります。逸失利益を含め保険会社からの賠償額提案があれば、即座に保険会社に返事をせず、まずは弁護士にご相談ください。