この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
依頼者の母親（被相続人）が亡くなったところ、生前および被相続人が亡くなったあとに被相続人名義の預金口座から多額の現金が引き出されていることが判明しました。その預金口座を管理していた親族からは具体的な説明は一切なく、自分で費消したというような説明を受けたことから、上記使途不明金の問題の解決をすると共に、遺産分割を実現することを求めて、当事務所に依頼をされました。
解決への流れ
当事務所が介入したのち、相手方に通知を送りましたが具体的な回答がありませんでした。そのため、速やかに使途不明金について法定相続分に基づく返還請求訴訟を提起しました。結果、裁判所からは相手から依頼者に使途不明金を返還することを前提とした和解案が提示され、結果として相手から依頼者に解決金が支払われました。その後、遺産分割調停を申立て、法定相続分に基づく分割を実現することができました。
後見制度を利用しないまま、高齢のご両親の預貯金を管理するというご家庭は多いのではないでしょうか。この場合、預貯金の管理が適正になされているか、親族同士で確認ができていない場合、ご両親が亡くなったあとでトラブルが起きることがあります（使途不明金問題といいます）。今回は、ご親族から十分な説明を受けられなかったことから訴訟を提起したところ、裁判所も依頼者の主張を理解し、相手の親族に解決金を支払うことを前提とした和解案を提示しました。その後の遺産分割調停を経て、法定相続分に基づく分割を実現することができました。裁判や調停と聞くと大げさに聞こえるかもしれませんが、遺産分割など、親族間のトラブルでは、裁判所を利用することで冷静に問題を解決することも可能となります。今回も依頼者のご希望に沿って解決を図ることができました。