この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
ご依頼者の親が亡くなったことから、ご依頼者は他の相続人と遺産分割協議を行っていました。ところが、他の相続人が代理人を選任して、法定相続分とは異なる割合による遺産分割を求めてきました。ご依頼者としては、このような主張が認められるのか不安になったことから、当事務所にご相談をいただきました。
解決への流れ
当事務所において検討をしたところ、他の相続人の主張を裏付ける客観的な資料は一切示されませんでした。そこで調停手続きを利用することにしました。相手からは客観的な資料は提出されなかったことから、同調停において法定相続分を上回るような形での遺産分割は認められない旨主張しました。結果として、裁判所も特別受益は存在しないことを前提とした解決案を提示したことから、同内容で遺産分割を成立させました。これにより相談者が当初から望んでいた形での遺産分割を実現できました。
遺産分割の場面においては、他の相続人がご自身と同じ気持ちでいるとは限りません。自分では仲が良いと思っていても、相手はそうは思っていない、相手は仲が良いと思っていても、こちらはそうは思っていないといったケースは山のようにあります。そのような場合に、相続の開始をきっかけにして、長年の感情のわだかまりが噴出してしまうことも多くあります。大半の方は、それでも話し合いで解決を希望されますが、感情的な問題が起きてしまっていると、遺産分割以外の部分で問題が生じてしまい、話し合いにならないこともあります。このような場合には、調停手続きを利用することをお勧めしています。これにより、裁判所という場所で、調停委員という第三者を通じて話し合いをすることで、冷静な話し合いをすることが出来ます。今回も調停手続を利用したことで、結果として早期の解決を実現することができました。