犯罪・刑事事件の解決事例
#給料・残業代請求

【企業側】関連会社に在籍している従業員からの未払残業代などの請求を排除した事例

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種村 求 弁護士が解決
所属事務所川崎パシフィック法律事務所
所在地神奈川県 川崎市川崎区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

当社は,従前は自ら飲食店業を営んでおりましたが,関連会社のA社を設立するとともに投資事業に専念するようになり,A社に対して飲食店の経営について委託するようになりました。もともと当社に在籍していた従業員Bが,A社設立と同時にA社に転籍しているのですが,ずっと当社に在籍していたなどと主張して,また仮にA社に在籍していたと判断されるとしても「法人格否認の法理」により当社が責任を負うなどとして,未払残業代の支払やうつ病を発症したことについての損害賠償金の支払を求めてきています。どのように対応したらよいのでしょうか。

解決への流れ

A社設立や当社とA社との間の業務委託契約の内容,A社設立後の当社従業員のA社への転籍の経緯等について主張・立証し,Bが当社にずっと在籍していたわけではないことを理解してもらうことができました。また,当社とA社との関係やA社に実体があることや当社に違法な目的などないことなどを主張・立証することで,「法人格否認の法理」が適用されないことを理解してもらうことができました。さらには,Bがうつ病に罹患していたのだとしても当社の業務に違法性がないことなどを理解してもらうこともできました。この結果,当社の全面勝訴という形で解決することができました。

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種村 求 弁護士からのコメント

「法人格否認の法理」とは,法人格が全くの形骸にすぎない場合や法人格が法律の適用を回避するために濫用されるときには,その法律関係について法人格を否認し,背後にある者に責任を負わせようとするものです。きわめて例外的な場合にしか認められないこととはなっておりますが,この主張がなされるとその法理が適用されないために丁寧な説明が求められますので,対応には注意が必要です。本件では丁寧な主張・立証が功を奏したといえると思います。